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研究者インタビューのお知らせ! − 大阪大学大学院生命機能研究科 教授 難波 啓一先生 −

研究者インタビューのお知らせ!
− 大阪大学大学院生命機能研究科 教授 難波 啓一先生 −

図1  0.08nm(ナノメートル)。
 0.01nmは、10億分の1mです。
 皆さんは、これがどんな長さか想像がつくでしょうか?
 これは、方向転換を行う為に、細菌の[べん毛]が行っている構造切替えの長さです。

図2

 べん毛は、ほんの、たった、0.08nmという長さを切り替えて、その10000倍以上の体長*1)の細菌の進行方向を変えているのです。
 今回インタビューさせていただくのは、SPring-8を活用し、この、べん毛の構造切替に関する[0.08nm]の発見をされた、大阪大学・難波先生です。

 べん毛の様に、タンパク質や核酸を材料としたナノサイズの複合体で、様々な機能を発現して生命を支えるものは『生体超分子』と呼ばれ、また、様々な機能を発現して生命を支えることから『生体超分子ナノマシン』と呼ばれます。難波先生は、SPring-8や電子顕微鏡を用い、解析不能と言われていた大きさの、これら生体超分子を観察する技術を進歩させただけでなく、その機能も明らかにされてきた方です。2012年6月には、この功績から、日本でもっとも権威のある学術賞、恩賜賞・日本学士院賞を受賞されました。

難波先生 『生体超分子ナノマシン』の驚異的な点は、ナノレベルに精巧に設計されている構造だけでなく、現在人類が未だ手に入れていないレベルの効率的なエネルギーシステムや、"自己組織化"と言う[自動的に材料が組み上がって出来上がる不思議な過程]にもあります。
 難波先生は、「私達の生命を支える、タンパク質で出来た『生体超分子ナノマシン』の性能は、現代の工学技術をはるかに上回るものです。金属などの硬い素材を利用した、"マイクロマシン"と呼ばれる装置は開発されていますが、エネルギー効率をとってみても、それに及ぶものではありません。ただし、タンパク質の設計や合成もある程度可能になってきた近年、我々の欲しい機能を持った『生体超分子ナノマシン』を人工的に実現させることはそう遠くないと思います。」と話されます。

 体長わずか数マイクロメートルの細菌に組み込まれた、タンパク質分子で出来たナノマシン。難波先生のお話からは、この超分子ナノマシンはナノテクノロジーのヒントの宝庫で、将来の人工ナノマシン設計にとってすばらしいお手本になるものであり、その機能がどのような形の組み合わせによって実現されているのかを詳細に調べることが如何に重要か、ということを伺う事が出来ました。
 1月初旬に公開予定のインタビューでは、『生体超分子』のイメージ資料と共に先生のお話を判り易くお伝えする予定です。どうぞお楽しみに。

 

*1) 大腸菌の体長約1~3μmを例に、0.08nmを約0.1nmとして換算。

カテゴリお知らせ投稿日2012年12月19日 09:10